ハレの日にはもちを
おめでたい日には
おもちを食べよう!

ハレの日のご紹介

日本には昔から「ハレの日」があり、豊作や健康、幸せを願ってきました。
ハレの日には欠かせないのが行事食です。
日本の行事食の中には「もち」が多く登場するのが特徴的です。もちは日本のお祝い事に欠かせない「ハレ」の食べものであるともいえます。例えば、正月の鏡餅やお雑煮です。もちは、古くから神様に供えるために用いられ、特に丸い形のもちは神様の魂が宿るとされています。他にも、桜餅、ひし餅、柏餅、ぼた餅、一升餅など、日本の行事食ともちは深いつながりがあるのです。 皆様のハレの日にも、お餅・おかき・赤飯などのもち米を使った食品・料理をとりいれてみてはいかがでしょうか。
(監修:東洋大学 食環境科学部 食環境科学科 准教授 露久保美夏)

おもちのアレンジレシピご紹介

おもちというと、お正月に食べる物〜とお考えの方が多いと思われますが、年間を通して、いろいろアレンジ出来る優秀な食品です。常温保存が可能で賞味期限も比較的長く、常備食として、和風・洋風・中華風にと汎用性広く使えます。

今回は、焼いたりお雑煮にするだけでなく、いろいろ応用メニューができ、しかも簡単に調理できる「ハレの日」にオススメのアレンジレシピを紹介します。是非、皆様もおもちを使ってハレの日をお祝いしてはいかがでしょうか。
(AKKO’S KITCHEN 料理研究家 / フードディレクター 中山 章子)

もちの豆知識

身近なもち米加工品

蒸したもち米は、ついて「もち」にするだけでなく、「あられ」や「おかき」にも加工されます。
「煎餅」と「あられ・おかき」の違いは商品名もさまざまで、厳密に分けられているかは調べたらきりがありませんが、一般的に原料がもち米であるものを「あられ・おかき」と呼び、うるち米のものを「煎餅」といわれています。

鏡開きの意味とは

昔の人々は、鏡餅には神様の霊力が宿ると考えていました。固くなった鏡餅を叩いて割り(鏡を開き)、それを食べることで、新しい生命をいただくことができると信じられていたのです。
鏡開きには1年の無病息災を祈る気持ちが込められています。松の内が空けた1月11日に行うのが一般的ですが、地方によって違いがあります。

「あられ」と「おかき」
の違い

「あられ」と「おかき」の違いは味や形状ではなく、主に大きさです。本来もち米をそのまま炒ったものを「あられ」と呼んでいました。
「雛あられ」がわかりやすい例ですね。寒い日に降る「霰(あられ)」に形が似ている、あるいは大鍋で炒る音が、霰が降る音に聞こえることからそう呼ばれるようになったといわれています。現在、明確に区別されているわけではありませんが、小さめのものを「あられ」、少し大きめのサイズを「おかき」と呼んでいます。関西では「あられ」のことも「おかき」と呼ぶようです。

赤飯のルーツ

赤米とは、縄文時代に初めて中国大陸から日本に伝わってきたお米(インディカ種)で、炊きあがるとちょうどお赤飯のような色をしています。日本では古くから赤い色には邪気を祓う力があると考えられており、加えてお米が高級な食べ物であったことから、神様に赤米を炊いて供える風習があったようです。
庶民の多くは赤米を江戸時代になる前頃まで食べていましたが、稲作技術の発展による品種改良で、味が良く収量が安定する現在のお米(ジャポニカ種)に変わってきました。
しかし、赤い色のご飯を供える風習は根強く残っていたので、江戸時代中期の頃、代用品として白いお米を小豆で色づけしたものがお赤飯(あるいは小豆飯)として広まったと考えられています。

もち米の粉の種類と用途

白玉粉: もち米を一晩水に漬けたあと、そのまま石臼でひき、沈殿したものを乾燥させる
-もち団子、求肥、大福、練りきりなど
もち粉: もち米を水に漬けた後、乾燥させて粉にする
-最中、もち団子、大福もちなど
寒梅粉: もち米を水に漬けたあと蒸してつき、煎餅状にして乾燥させたのち粉砕する
-高級うち菓子、押し菓子など
道明寺粉: もち米を何日か水に漬けたあと、蒸して乾燥させてひく
-桜餅、おはぎなど
落雁粉: 道明寺粉をさらに細かくひいて煎り上げる
-落雁